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絶叫委員会

絶叫委員会。というタイトルを見て、絶叫する委員会を思い浮かべた。

制服を着て壇上に上がる絶叫委員会の委員長。「次は、絶叫委員会からのお知らせです。」アナウンスが流れる。メガネをかけた委員長が、顔を上げ、絶叫しはじめる……(何を?)


そういえば絶叫って普段あまり聞かない。聞くとしたらジェットコースターとかカラオケくらいか。

 

そんなことを思って読み始める。読みやすくて面白い。叫んでいるかどうかを気にすることを忘れて、面白く読む。

 

読み終わってから、そういえば絶叫された言葉はどれくらいあったかなと思い、改めて数えてみる。

 

本文中の名言、約135本のうち、叫ばれた言葉は4本ほどだった。(同じ人物が連続で名言を発した場合は別個にカウントしたり、叫んでいるか微妙な音量かと思うものはカウントしなかったり、かなりアバウトな数え方だけど、割合としてはだいたいこれくらいのようだった)

 

いちばん《絶叫》に近いのは、

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」

と、理不尽なクライアントに会社員が叫んだ言葉だった。

 

ワタシが棒読みに箇条書きすると、絶叫感がうまく伝わらない。

 

原文は、

〝広告代理店に勤める友人から聞いた話。或る打ち合わせの席上で、クライアントが理不尽なことを云い出した。彼らの意向に従って修正したプランを、前言を覆すかたちで否定されたのである。

友人は我慢したが、隣にいた同僚は耐えかねて叫んでしまった。

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」

懸命に踏みとどまろうとする敬語から、煌めく「ふざけんな」の世界に飛翔してしまう動きに感動。〟

と書かれている。

 

並べると、ワタシの書き抜き方はロボットみたいだ。原文は、血が通っていて熱い…というのか、言葉と出来事の表面をただなぞるんじゃなくて、人間の複雑な心の動きを、わかりやすく言語化するまでに追いきっている。

現時点のワタシは、語感が面白い、とは感じるけれど、その言葉に至った心理までは追えない。そこを追えるか追えないかの違いは、大げさに言ったら、根底に愛があるかどうかの違いだ。

 

いっそより無機質な方向に向かえば、絶叫することなく、より穏やかに淡々と暮らせるのだろうか。

 

ここまで書くのに丸2日かかった。無いアタマをひねるのはしんどい。自分の弱点(冷血漢)と向き合うのもしんどい。それでも、見ないふりをしているよりはちょっとはマシなんじゃないだろうか。

 

向き合わせてくれた本書に感謝。

 

ほんとはレレレのおじさんみたいに生きたい。レレレってあれ何でレレレって言ってるんだろう、レレ。

 

 

絶叫委員会 (ちくま文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)